ご実家を相続して片付けをする際や、家を売るための片付けをする際には、捨てないで保管しておいた方が良い書類があります。

具体的には、権利証、物件を購入したときの売買契約書、重要事項説明書、当時の販売図面、間取り図、設計図、領収書、リフォームしたときの工事契約書などです。

権利証は捨ててしまうことはあまりないかと思いますが、他の書類は既に処分してしまっていたり、見つからない方も多いです。

例えば、売買契約書は税金の申告のときに物件を購入した金額(取得費)を提示するための資料になり、それにより税金が軽減される場合もあります。

間取り図があると、お家を売却するときに不動産会社が原稿として利用できるため、販売準備の時間が短縮できてすぐに広告活動ができるようになります。

また、設計図、竣工図があると買主さんがリフォームする際にとても役立ったり、安心感にもつながりますね。

リフォームをしている場合には、工事契約書などが残っていれば、どの程度のリフォームしたということもわかって、やはり買主さんが検討するときの安心材料になります。

業者さんに家の片付けを頼む際にも、もし上記のような書類が出てきたら捨てないでくださいと声をかけておくのも良いかもしれませんね。

今回はご実家を2世帯で暮らせるように大規模リフォームをして、住み替えを計画している方のご相談です。

現在のご自宅マンションは立地が良くスムーズに売れそうな物件だったのですが、ご実家のリフォームローンの審査が気になりました。

というのも、ご実家の所有者がご両親だけではなかっため、審査のときに名義のことなどで条件が付くなどが考えられそうでした。

ローンが利用できないと、リフォームが出来なくなってしまうので、これは先にクリアにしておく必要があります。

お客様は、「そういう可能性があるのですね。」と不安そうだったので、私の方でも金融機関に聞いてみたりと、良い方法をお客様と一緒に考えました。

結果的には、ローン審査も通り、売却活動をスタートすることができました。

当社のお仕事はご売却の仲介なので、今回のようなことは範囲外のことになるのかもしれません。

ただ、今回はマンション売却がゴールではなく、ご実家で2世帯暮らしをスタートさせることがゴールです。

そのため、全体を見てお客様が気づかない今回のような落とし穴を、先回りして回避できるようにサポートさせてもらうことも不動産会社の大切な役割だと思います。