先日こんなお電話がありました。

「土地が私(お母様)の名義で、建物が息子の名義になっているのですが、この状態だと土地と建物をまとめて売ることは難しいでしょうか？」

答えとしては、売ることは可能ですが、息子さんが売却について同意することが必要です。

共有になっている場合の注意点としては、

「共有者も売主である」という点です。

お電話を頂いた方は親子で共有でしたが、相続をした場合などは、親、子、兄弟姉妹と共有者が多くなる場合があります。

この場合でも、共有者全ての方が同意すれば売却が可能です。

共有者の方がご高齢だったり、遠方に住んでいて手続きをするのが難しい場合などは、代表者の方を決めてその方に委任状を渡して手続きをすることが可能です。

また、夫婦共有になっている物件を離婚で売却する場合に、お互いに話をするのが難しい場合などは、司法書士さんや弁護士さんに入ってもらって手続きをすることも可能です。

また、夫婦でローンを組んでいる家を売却する場合には、それぞれのローンを完済する必要もあるため、残債の確認や、売却した金額ではローンが完済できずに、マイナスが出てしまった場合には、どうやってその資金を確保するのかなどもあらかじめ話し合っておく必要があります。

今回のお客様は、築5年の一戸建てにお住まいでしたが、転勤になってしまい、今後、こちらに戻ってくる可能性も低いそうです。

転勤前には売却も検討されたそうですが、全額ローンで購入しているため、残債もたくさんあるので売れないかもしれないと思い、そのままご親戚に貸していたそうです。

「親戚も引っ越して空家になったので、このタイミングで思い切って相談してみようと思いました。」と東京出張の途中に、ご相談へお越しくださいました。

実際に現地でお家を見せてもらいながら、お子さんが産まれたときのことや、お子さんがペンで壁紙にいたずら書をしてしまった跡などを見ながら、ご主人は懐かしそうに思い出話をされていました。

ただ、「まさか、こんなに早く引っ越すとは思わなかったですけどね。」と少し残念そうでもありました。

せっかく買った家を売ってしまうという残念さもあると思いますし、残債があるので売れないのではないかという不安も抱えたままでいるのは、精神的にも大変だと思います。

心配なローン残債については、マイナスを出さないような金額で売ろうとすると、新築の金額に近づいてしまうのは確かです。

ただ、このエリアは駅から近いこともあり、マンションが多く一戸建ての売り出し物件が少ないですし、新築一戸建てが出てきても高額になることがあります。

また、物件を探している人の数より、物件の数の方が少ないため、中古でも築浅だと新築に近い金額で売れている事例があります。

そのため、「残債があっても、それを完済できる金額で十分売れますよ！」とアドバイスさせて頂きました。

「そんなことなら、早く相談しておけばよかったです。」とお話されていましたが、転勤が決まったからといって、思い出のあるマイホームを手放す決断をすぐにはできなかったのではないかと思います。

ご親戚に貸している間にきっとお気持ちの整理をされていたのではないかと思います。

思い出のあるマイホームを気持ちよく売却してもらえるように売却活動を頑張ります！