1社に売却をお願いしたはずなのに、他社のホームページで広告をしていたり、他社のお客さんが物件を見に来ることがあります。

これは「レインズ」という不動産業者間物件情報共有ネットワークがあって、ほとんどの物件はどの不動産会社からでも購入できる仕組みになっているからです。

では、レインズという仕組みがどうしてあるのかご説明しますね。

例えば、物件を売りたい売主さんがA社という不動産会社に売却を委任したとします。

でも、A社だけしか物件を取り扱えず、B社のお客様は買えないとなると、売主さんが不利益を被ってしまいます。

そのため、私たち不動産会社は売主さんから物件売却の委任を頂いたときには、基本的にこのレインズに物件を登録して、自社だけではなく、多くの不動産会社と物件情報を共有し、広く買主さんを探す必要があります。

でも、他社が入った場合には仲介手数料はどうなるの？と思われるかもしれません。

例えば売主さんがA社に専任で売却をお願いしたとします。

A社のお客さんで成約した場合、A社は売主さん、買主さん両方から仲介手数料を頂くことができ、これを両手と呼びます。

もし、B社が買主さんを連れてきて成約になった場合は、A社は売主さんから、B社は買主さんから仲介手数料を頂くことになり、これを片手と呼びます。

売主さんにとっては、片手か両手かもよりも、納得できる条件で、トラブルなく取引できる買主さんと契約することがメリットになります。

この仕組みは、業界では当たり前のことですが意外と知られておらず、この仕組みがあることを踏まえた上でどの会社、ひいてはどの担当者に売却をお願いするかを検討してみてください。

「母の一周忌も終わって東村山の実家をいよいよ売却しようと考えいてね、でも、全部更地にしないと売れないでしょ。」

確かに建物は築40年経過していて、お母様が施設に入ってから5年くらい空家だったので、建物はあちこち傷んでいて、中古戸建てとして売るのは難しそうでした。

でも、お庭がとってもきれいだったのでお聞きすると、「そうなのよ、母が生きがいにしていたお庭だったから、空家のときも造園屋さんに来てもらっていたのね。」とのこと。

それを聞くと売ってしまうのは寂しい気分になりますが、「でもね、もう、ここまで維持しただけで精一杯。母も納得してくれると思う。」とお話されていて、一周忌というのは節目になっているのかなと思います。

ご実家を売る決断をするというのは、気持ちの整理など相当の時間が必要になりますね。

不安に感じていた更地にする件については、古家有りという形で売却活動をして、更地渡しを希望する方がいた場合は、売買契約から引渡しまでの間(物件代金の入金が確定した状態)で更地にする方法をご提案しました。

「そういう方法があるのね、それならほっとしたわ。」と安心してもらえたようでよかったです。

更地にすることが負担になって、一歩足を踏み出せない方がいましたら、今回のような方法もあるのでご安心ください。(^^)