まず、前提として通常の売却(個人に売る）の相場価格と買取り(業者へ売る）の相場価格は、別になります。

そして、大切なのは、「買取りの相場価格は、通常で売却する相場価格よりも、低くなることが多い」です。

というのも、業者は買い取った後にはリフォームをして、利益をのせて個人の方に再販売をします。

そのため、高く買取るとその分、再販売時の売値も高くなり、売れない可能性があるため、一般的には通常の売却時の相場価格の7～8割前後が買取り価格になることが多いです。

ただ、駅から近い人気のある物件や、築年数が浅くてリフォームをしないで再販売できるような物件だと、通常の売却時の相場価格に近い価格で売れる場合もありますので、担当者に買取だとどのくらいの価格になるのかを、聞いておくのも良いと思います。

上手に買取りを利用するには、はじめから買取りだけを考えるのではなく、あくまでも通常の売却(個人の方へ売る）が出来るように進めていくのが基本で、それでも売却期限があってどうしても売らないといけない場合や、個人の方だと購入するのが難しい大型の物件、瑕疵(欠陥）がある場合などに、買取りを利用するのが、良いと思います。

また、期限が近づいてから買取りを検討するのではなく、売却活動を開始する際に、買取についても担当者と相談をしておくことが大切です。

今回のお客様はお子さんが大きくなり、自宅マンションが手狭になったのと、奥様のたってのご希望もあり、一戸建てへの住み替えをご検討されていました。

何から始めて良いのかわからず、とりあえずインターネットで物件を探し新築戸建を見に行き、現地にいた営業マンに住み替えのことを伝えたところ、「ご自宅の売却は買取ですぐに売れますので、とりあえず購入物件を決めましょう」と言われたそうです。

「でも、ローンもたくさん残っているし、購入する際の手持ち資金もあまり無いのに、大丈夫なのでしょうか・・・」と伝えると・・「大丈夫です！もし、ローンが残っても購入するローンに上乗せできますし、諸費用についても借りられますから、頭金が少なくても大丈夫です。」とアドバイスされたそうです。

このアドバイスを聞くと、「あれ、できるのかもしれない」と思ってしまいそうですよね。

そこで、実際に頭金を少なくして、業者買取りを利用した場合の資金計画を立ててみました。

その結果、借入額が増え、返済していくのが難しいことがわかりました。

そのため、少し時間をかけてでも、通常の売却をするのが良いことがわかりました。

「そんな簡単に進められるのか、何となく不安だった理由がよくわかりました。これで、家族と現実的な話し合いができます。」と少しほっとされたようでした。

売るだけでも大変なのに、購入もする住み替えはもっと大変です。

「そんなに簡単にいくものなのか？」という気持ちになるのも当然だと思います。

そんなときには焦らずに、しっかりとした計画を不動産会社の担当者と立ててから、スタートすることが大切だと思います(^^)