今回は、売却する場合に手元に保管しておいた方が良い書類をご案内します。

・購入時の契約書、パンフレットなどの資料一式

契約書は税金の申告をする際に必要となりますし、パンフレットは営業マンがチラシや間取り図を作成する際に必要となります。
「不動産重要書類ファイル」というような名前がついたファイルに、まとめてあることが多いので、そのファイルを保管しておいてください。

・管理組合の総会資料等

マンション内で討議されている事項については、第三者がその内容を知ることは難しくなっています。
例えば、管理費、修繕積立金の値上げについて、大規模修繕工事実施時期について、規約をペット飼育可能に変更する等、購入を検討するかたにとって話を勧めるかどうかの判断材料になるようなことが多いです。
そのため、総会の議事録や管理組合からのお知らせは、保管しておくことをおすすめします。

・リフォームやメンテナンス履歴がわかる資料

いつ、どんな場所をメンテナンス、リフォームをしているのかという情報も買主さんが知りたい情報です。

資料がない場合は、〇年〇月に、どんなリフォームやメンテナンスをしたか箇条書きにしておくだけでも良いと思います。

・固定資産税の明細書や自治会の年会費

固定資産税がどのくらいなのかも買主さんによく質問されます。

また、自治会に入っている場合には、会費やどんな当番があるのかも、事前に調べておくことをおすすめします。

また、他にも賃貸アパートに住んでいる買主さんだと、一戸建てを購入した場合には光熱費がどのくらい上がるのかということも気になる方が多いので、電気、ガス、水道等の料金も把握しておくと良いと思います。

今回のお客様は、当社にマンションの売却をお任せ頂いていました。

駅からも近く、人気のエリアにあるマンションなので、問い合わせや内覧希望も多く来ていました。

また、売主様は住みながら売却をしていました。

というのも、マンションを売った資金をお子さんご家族と2世帯で住む戸建ての購入資金に充てる予定なので、売れてからでないと購入に進めないためです。

そのため、住んでいるお部屋をお客様が見に来ます。

最初の頃は、

「田中さん、ピカピカにして待ってますね！」

と、はりきって掃除をしてくださっていたのですが、なかなか決まらないため対応をするのも疲れてきたと私にお話しされていました。

その売主様は、お客様からの質問にも丁寧に答えてくださり、とてもありがたかったのですが、反面、これがずっと続くと疲れてしまうかもしれないと私も感じていたところでした。

決まらない理由を調べるため、見学に来たお客様に感想をお聞きしてみると、

「リフォームが必要でその費用がいくらかかるのかわからず検討しにくい」

という内容が多いことがわかりました。

そこで対策を考えました。

具体的には当社と提携している工務店さんにリフォームのお見積りと、リフォーム後のお部屋の感じのわかる完成予想パースを作成してもらいました。

そして、そのお見積りとパースを資料としてホームページに載せたり、お客様にあらかじめお渡しをした上で内覧をしてもらいました。

また、工務店さんにも、「リフォームに最適な物件」として紹介してもらえるように依頼をしました。

その後の内覧は、リフォームを前提で見学をする方が増えて、それから1ヶ月後にめでたくご成約となり、売主様も無事に2世帯住宅をご購入されました。

見学に来るお客様は、リフォームにどのくらいの費用がかかるのか、どんな風に変わるのかをイメージできずに不安になってしまうかたが多いようです。

そんなときに、口頭で説明するだけでなく、今回のように実際の費用見積もりや、完成イメージがあると安心して検討してもらうことが出来るのではないかと思います。