引っ越し先に持っていきたいもの、出来れば置いていきたいものなど、売主さんの状況によって変わってくると思います。

基本的な考え方は、売主さんの所有物ですので撤去は自由です。

もし、置いていきたいものがある場合は、買主さんに了承してもらう必要があります。

よくあるのが、エアコンです。

売主さんとしてはまだ使えるし、購入する方に使ってもらえたらいいなと思いますよね。

このときに買主さんから質問されることは、「いつ購入したものですか？ちゃんと動いていますか？」ということです。

当然ですが、故障して使えないものや、古くて汚れている、消費電力が今のものと比べて大きいなど、デメリットがある場合は、撤去を希望されることが多いです。

中には、家具や家電をできるだけそのままにしておいてほしいという、買主さんもいます。

エアコンや照明器具、カーテン、洗濯機や冷蔵庫などの家電もそのまま置いた状態で引き渡しになることもあります。

これらのことは、売買契約時に付帯設備表という書式を使って売主、買主間で確認をして書面で残しておきますので、その際に決めれば良いのですが、あらかじめ置いていきたいものがある場合には、不動産会社の担当者に伝えておいて、お客様もそれを踏まえて見学出来るようにしてくことが親切です。

また、上記の書面で確認をした後に「エアコンをやっぱり持っていきたい」となってしまった場合は、買主さんに了承をしてもらい、変更内容を書面に残していくというのが、ルールになっています。

ちなみに、買主さんからすると、置いていってもらえると思っていたものが撤去されるより、撤去する予定だったけど、やはり置いていきたいので使いますか？という方が、がっかりしないで済むので、どうするかわからない場合は撤去するということにしておきましょう。

今回のお客様は、数年前にご主人を亡くされ、一戸建てにおひとりでお住まいです。

築40年近い一戸建ての為、遠方にお住まいの息子さんが心配をして、耐震診断に申し込んだところ、耐震性が低い為、改修工事をなるべく早く行った方が良いという結果が出たそうです。

耐震工事をすることも考えたそうですが、費用の面やひとりで暮らすことで息子さんを心配させてしまうことも考えて、売却しようと思い始めたそうです。

でも、長年住み慣れた家でご近所さんも良い方ばかり。

ご主人がお亡くなりになられたときも、ご近所の方が色々と助けてくださったそうで、葛藤されているお気持ちが伝わってきました。

売却代金で息子さんのお家の近くにマンションを購入することも考えの為、売却価格や期間、諸費用を引いた手元に残る金額について打ち合わせをしました。

「資金的にも住み替えができることがわかって、すっきりしました。あとは、私が決断するだけですね。」と笑顔でお帰りになりました。

40年前にお家を購入された時のこと、お子さんとの楽しい思い出話もお聞きしました。

不満があって売却するのとは違って、売却を決断するのは、大変なことだと感じました
ゆっくりと気持ちの整理をして頂きたいと思っています。