不動産会社に売却を頼む場合、売却理由は様々ですが、中にはあまり前向きな理由でなかったり、お子さんの学校内やご近所の方に広まってしまったりすると、都合が良くないという方もいらっしゃいます。

不動産関係の業者や、実際に物件を探している方など、関係者には売却していることは知られてしまいますが、それ以外の方に知られないように売却活動をすることは可能です。

では、具体的にどのような方法をとるのかですが、簡単に言ってしまうと、「広告媒体を限定する」ということです。

例えば、「同じマンション内や近隣へのチラシ配布はNGで」という感じです。

どの広告をNGにするかは、不動産会社の担当者と話し合っておいた方がよいです。

ただ、広告活動を限定しない方が、成約可能性はもちろん高くなります。

そのため、しばらく販売をしてみて、まったく問い合わせや見学などがない場合には、販売活動の幅を広げるか、価格を下げるなど、何かしら打開策が必要になってきます。

また、売却を始める前に不動産会社へ査定や相談をする際にも、できれば内緒で売却したい旨を伝えて、それを前提に成約までの期間や販売方法を考えてもらうようにするのが良いです。

今回のお客様は、自宅マンションを売却した資金で、息子さんご家族が住んでいる戸建を2世帯で暮らせるようにするリフォームをしようか悩んでいて、息子さんと一緒に相談にお越しになりました。

「両親の家まで車で約2時間。何かあってもすぐ行けませんし、孫もいるわが家で楽しく暮らしてもらえないかと思っています。」

お話を聞いてみると、ご両親の自宅マンションは駅から近く、とても便利な場所にあります。

一方で、息子さんのお家は駅からは、バス便エリアで生活するには車が必要なエリアです。

けれど、ご両親は老後の面倒をみてくれると息子さん家族が言ってくれていることが、とっても嬉しそうに見えました。

また、体が元気なうちでないと、売却や引っ越しをするのも大変だし、築年数が経過すると売値が下がってしまうのではないかと心配されていました。

そこで、すぐに売った場合、5年後、10年後に売った場合、そのまま住み続ける場合など、いろいろな状況を想定してメリット、デメリットなどを話し合いました。

「売却についてはだいぶイメージがわきました。後は、自分たちがどんな暮らし方をしたいのかを息子と話し合って決めたいと思います。」

息子さんもご両親もお互いのことを思いやりながら、お話しをされているのが、とても伝わってきました。

売却しようか、どうしようか迷っている段階だと不動産会社に相談をしにくいですよね。。

でも、今回のように私のような第3者であり、不動産のプロが一緒になって考えることで方向性が見えてくることも多いのではないかと思います。

こうして話し合いをして、進むべき道が見えたときのお客様のホッとした笑顔を見るのが、私はとても好きです(^^)