今の自宅を売却して、同時に新居を購入する場合の住み替えで必要になるのが、この引渡し猶予ですがどんなものなのかご説明します。

まず、自宅の売却代金を買主さんから受け取るのと引き換えに、自宅の鍵を買主さんへお渡しするのが通常です。

でも、住み替えで自宅を売却した資金を購入する物件の代金に充てる、自宅のローン残債を完済しないと新居購入資金のローンが組めないという場合は、自宅の売却代金を受け取る→新居代金の支払い及び鍵を受け取る、という順番になります。 これだと、自宅売却代金を受け取った段階だと、まだ新居の鍵がないので、引っ越しができずに、買主さんへ自宅の鍵を渡せない状態です。

そこで、自宅は買主さん名義になってしまっていますが、新居の鍵をもらって引っ越すまでの少しの間、住まわせてもらうことを引渡し猶予と言います。

この猶予期間ですが大体1週間前後になることが多いです。

自宅と言っても、既に買主さん名義ですから、傷をつけたり、万が一火災にでもなってしまったら弁償しなくてはいけませんので、なるべく早くお引越しをすることになります。

また、この期間の管理費や固定資産税なども負担する必要があります。

買主さんにあらかじめ了承してもらう必要があるため、売り出す段階で「引渡し猶予有り」という条件もつけておく必要があります。

住み替えの場合は、この引渡し猶予を付けているか営業マンに確認した方が良いです。

東村山市のご実家が空家になったことで、売るかどうするか、でも何から手を付ければよいのかなど悩まれていたK様。

「ちょっとこの状態じゃ売れないですよね。私が買う側だったら躊躇しちゃうな。。」とK様。

確かに室内は劣化箇所が多く、特にお風呂、トイレなどの水回り設備は交換が必要な状態でした。

でも、それらをリフォームすると売る前に数百万円かかってしまいます。

K様は必要なのであれば、工事をしますと言ってくださいましたが、現況のまま売却した場合と、リフォームして売却した場合の手取り金額の差を比較する必要があります。

というのも、現況のまま売ると、リフォームして売るよりは売却金額自体は低くなりますが、リフォームして売った場合には、リフォーム分の費用を差し引いて手取り額を計算する必要があります。

もし、手取り額が変わらないのであれば、手間を掛けずにそのまま売却しても良いのではないかと思いました。

そのため、いくつかの買取業者に金額を出してもらうなど、私の方で現況で売れる金額をまずは検討してから、どうするかを決めることになりました。

売却金額の高い、低いに目が行きがちですが、今回のように先行して費用をかけるかどうか迷う場合には、手取り金額で比較することも大切ですね。